(有)鈴盛牧場における汚水処理システムについて

複合ラグーンシステム(半回分式活性汚泥法)による汚水処理


1.地域の概況


 当地域は、新潟県の北東部に位置し、朝日連峰に源を発する三面川とその支流の高根川が形成する肥沃な土壌に恵まれ、農業を中心として発展してきた。農業粗生産額の41.3%を水稲で占めるものの、畜産、特に養豚の粗生産額は農業粗生産額の20%を占め、養豚農家戸数10戸、母豚数は1,020頭と少ないものの村内農業の重要な位置づけをなしている。


2.鈴盛牧場の経営概況


 今回紹介の「(有)鈴盛牧場」は、関川村で母豚240頭の一貫経営を営んでいたが、平成8年に、朝日村で母豚70頭の一貫経営を実施していた前所有者から経営停止に伴う農場の譲渡を受け、離乳・肥育豚舎として増築し規模拡大を実施した。

 

経営形態

養豚 繁殖肥育一貫(繁殖・関川農場、離乳及び肥育・朝日農場)

 

飼養規模

母豚約330頭

労働力

社長他4名



3.汚水処理施設導入


 朝日農場の増改築に際して、補助事業により半回分式活性汚泥法による汚水処理施設の導入を実施した。

 

 

補助事業名

平成8年度畜産再編総合対策事業(中核的施設整備)

 

事業主体

(有)鈴盛牧場

事業内容

汚水処理施設(半回分式活性汚泥法)一式

総事業費

46,048千円



4.朝日農場の汚水処理施設の概要


導入施設:複合ラグーンシステム 半回分式活性汚泥法

5.汚水処理施設の概要


導入施設:オキシデーションディッチ型 回分式活性汚泥法

選定上考慮したポイント

 

 (1)

希釈水が不要
 

 (2)

処理能力が安定している(センサーによる自動運転)

 (3)

充実したアフターケア (実績多数)

 (4)

規制が検討されている窒素の除去が可能

 また、当方式の短所として、

 (1)

設置面積が比較的広い

 (2)

地耐力がある場所でないと設置できない(曝気槽の容績が大きいため)

 以上3点が考えられた。(1)・(2)については立地条件から対応可能であったこと、(3)についても汚泥の多盤型脱水機の導入により対応した。

 

主要施設規模

曝気槽   1,014m3 複合ラグーン

 

 

原水貯留槽     7m3 2槽

 

 

原水移送槽 m3 2槽

 

 

流量調整槽    32m3

 

 

汚泥貯留槽 18m3

機器の仕様

曝気装置  垂直エアレータ11.0kw×2基
      水平エアレータ
1.5kw×4基
スクリーン
2基
脱水機
1.25kw×1基

ランニングコスト

電気料金 137千円/月
凝集剤
30千円/月

処理能力

処理対象頭数

離乳子豚840頭・肥育豚1680頭

投入汚水

水量18m3/日   

BOD量172kg/日

SS量330kg/日

放流水

水量18m3/日  

BOD量80mg/以下

SS量80mg/°以下


6.稼働状況と今後の課題


 運転方法は、複合ラグーンで約10時間曝気し、好気性微生物による浄化処理が行われ、次にやはり同一の槽で約10時間沈殿が行われる。このとき、微生物呼吸による脱窒素反応がおこり窒素の除去が可能としている。その後、上澄みの放流及び汚水の流入が行われる。
 また、水温の上昇や高濃度汚水の流入等があっても、BOD負荷を低く設計しているため曝気槽容量が大きく、負荷に対する弾力性が大きいため、放流水の水質は安定して目標値を下まわっていた。
今後の課題としては、肥飼料取締法の一部改正により、汚泥の堆肥利用の規制が強化されるなかどのように汚泥ケーキを利用していくかがあげられる。対応としては、堆肥舎に専用の槽を設け十分に堆肥化処理して、農場周囲の花木等に自家利用することなどが考えられる。

岩船農業改良普及センター 高橋 英太

 

複合ラグーン全景

 

複合ラグーン(上部より)


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