牛糞堆肥を使った有機米生産への一歩
坂上 隆夫  北蒲原郡黒川村大字夏井 


1.経営の概要
 (1)経営形態 水稲と和牛肥育経営
 (2)調査期間 平成11年1月1日〜平成12年12月31日
 (3)家族及び農業労働力
  ア.家族数    9人
  イ.農業従事者数 3人
続柄 年齢 労働力 農業従事割合 担当部門 当該従事割合 経験年数
本人 39 1.0 100% 水稲・肉用牛 50% 22
33 1.0 70 水稲・肉用牛 50  
71 0.7 50 水稲    

 (4)経営地面積
区分 水稲作付田 転作田 山林
面積 430a 270a 3a 1,200a
内借地 300    
(注)転作田は基盤整備中

 (5)肉用牛飼養規模
期首 導入 へい死 出荷 期末 延頭数 平均規模
28 18 0 18 28 10,534 28.9

 (6)建物・施設・機械の取得状況
区分 数量 大きさ 取得年




牛舎
堆肥舎
換気扇
1棟
共同
10台
(直下型インバーター付)
386m2
297m2
S53
S53
H9




トラクタ
マニュアスプレッダ
トラック
軽トラック
ダンプカー
ローダー
1台
1台
1台
1台
共同
共同
40PS
1,000kg
2t
600cc
H5
H7
H10
H9
H4
H4
(注)堆肥舎・ダンプカー及びローダーは共同施設・機械である

2.経営の推移
経営の推移
昭52年 財団法人中央農業八ヶ岳実践大学を終了し、就農する。
水稲面積450a
54年 新畜産団地育成整備事業で造成された肉用牛団地で和牛肥育経営を開始し複合農業に入る
飼養頭数50頭

その後、肥育牛の大型化と密飼によるストレス防止から1房当りの収容頭数を制限した飼養体系にする
飼養頭数32頭
61年 新潟県農業者友好訪中団に参加する
平元年 青年農業士に認定される
8年 肉牛の付加価値販売の強化を図るため、村上牛生産協議会に参加する
平11年 肥育牛の常時飼養頭数は30頭前後で推移させて来ている。
一方、水田は借地により随時拡大して来て面積は700aであるがこの内270aは基盤整備中である
水稲面 積430a

3.経営の実績
 (1)肥育牛の出荷状況
区分 頭数 出荷体重 枝肉重量 販売額 枝肉単価 4以上率
去勢牛 18 716kg 443kg 968,481 2,186 77.8%

 (2)出荷牛の枝肉成績
項目 11年 10年
格 付 け 4 等 級 以 上 率 77.8% 65.0%
歩 留 基 準 値 73.9% 73.2%
ロ ー ス 芯 面 積 51cm2 51cm2
ば ら の 厚 さ 7.3cm 7.4cm
皮 下 脂 肪 の 厚 さ 2.4cm 2.4cm

 (3) 糞尿処理方法と利用状況
  敷科の種類
オガクズ(90%)とモミガラ(10%)
  敷科の交換
夏季 20〜30日間隔 冬季 7〜10日間隔
ボロはローダで出し2tダンプカーで堆肥舎に搬入、1回の量3〜4台
敷料は1回6〜7立方メートルを使用し全面交換する
  堆肥処理方法
牛舎から搬出した糞尿は団地内の共同堆肥舎で堆積し醗酵処理する
共同堆肥舎は各々に与えられたブロックで処理する
  堆肥の利用方法
    (ア) 全量自作水田に散布(自家利用率100%)
秋 10a当り4tを1.5〜2.0haに散布
春 10a当り2tを2.3〜2.8haに散布
水稲を作付けする水田は春・秋で全面積散布する
    (イ) 施肥方法
堆肥舎からダンプカーで搬出〜水田でユンボーを使いダンプカーからマニュアスプレッダに積み込み散布する

 (4)飼料給与状況
区分 期間給与量 1頭1日当り
濃厚飼料 71,610kg 2,701,986 6.8kg 257


ヘイキューブ 4,720 206,808 0.5 20
稲 わ ら 24,770 1,273,655 2.3 120
29,490 1,480,374 2.8 140
合計 101,100 4,182,360 9.6 397

 (5)肥育技術及び生産原価
区分   11年 10年









肥 育 開 始 体 重 kg 305 293
肥 育 日 数 582 608
出 荷 体 重 kg 716 718
増 体 重 kg 411 425
1日 当 り 増 体 重 kg 0.71 0.69
枝 肉 重 量 kg 443 444
枝 肉 歩 留 率 % 61.9 61.8
事 故 率 % 0 0
格 付 4等 級 以 上 率 % 77.8 47.3

1日 1頭 当 り
飼 料 給 与 量
濃厚飼料 kg 6.8 6.7
粗飼料 kg 2.8 2.1
粗 飼 料 対 給 与 総 量 比 % 29.2 23.8



出 荷 牛 生 産 原 価 1頭当り 784,386 703,053
枝肉1kg当り 1,771 1,581
出 荷 牛 総 原 価 1頭当り 899,268 826,846
枝肉1kg当り 2,030 1,860
出 荷 牛 素 牛 費 1頭当り 378,152 344,074
枝肉1kg当り 854 775

4 今後の方向
  (1) 農業全体
借地による水稲面積の拡大と和牛肥育頭数の拡大を図りながら、専業農業経営を前進させていきたい。
  (2) 肉用牛部門
稲作収入が低迷しているなか、肉用牛飼養技術を高めながら、耕畜バランスのよい複合農業を発展させていきたい
また、「村上牛」としての地域産地化を維持しながらさらに前進して行きたい。
  (3) 畜産環境保全
「家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」が施行され、畜産農家は一層糞尿処理に努めて行かなければ肉用牛経営自体が成り立たなくなると思われることから、排泄される糞尿はきちんとした堆肥舎で堆肥化処理を行い良質堆肥を作っていく。処理した堆肥は自家水田に施肥して、地力を高めながら付加価値をつけた有機米生産を行って水稲収入の安定に努めながら、地域農業に堆肥の有効性と家畜の重要性を伝えながら地域農業を前進させていきたい。





 




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