(有)桑原農場の汚水処理施設の概要

ゴム張りラグーンによる低コスト浄化槽による汚水処理


1.地域の概要


 当該農場のある津南町は、県の南部に位置し長野県栄村と隣接しており、信濃川及び支流の中津川等により形成された河岸段丘で有名な町である。
 農業振興に力を入れている町であり、国営の苗場山麓農地開発により造成された農地を用いた営農が行われている。
 畜産の現状としては、平成12年2月現在で31戸の飼養戸数があり、年間6億円超の販売額がある。中でも養豚は販売額が最も多くなっている。


2.桑原農場の概要


(1)所在地

中魚沼郡津南町大字下船渡己3844

(2)代表者名

代表取締役社長 桑原 政治

(3)飼養規模

繁殖雌豚  74頭
〃 雄豚   6頭
肉  豚 740頭



3.汚水処理施設の概要


(1)建設の経過
 浄化施設設置以前は、尿溜めに貯留後バキュームカーにより畑地へ還元していたが、臭気が強く周囲への影響が懸念されたため、浄化施設の設置を検討し、各地の事例を参考に設置をすることとした。
 建設に当たっては、浄化槽メーカーは利用せず、他の養豚農家の施設を参考に独自に設計を行い、自分でできる工事は極力自分で行った。
 バッキレーター等の機械についても、他の農場で不要になった中古品を集めて建設費を押さえている。
 平成9年9月に完成し、今年で3年を経過している。

(2)施設の設計計算及び建設費
ア 設計計算(桑原氏による)

(ア)

処理対象頭数

 

肉豚

734頭 (在庫重量4,000kg÷60kg=734頭)

親豚

90頭

(イ)

BOD発生量

 

肉豚

糞除去率70%

114g/日×0.3=

34.2

 

尿除去率 0%        

 

18.0 1頭1日当たりBOD発生量 52.2g

親豚

糞除去率70%

168g/日×0.3=

50.4

 

 

 

28.0 1頭1日当たりBOD発生量 78.4g

1日当たり農場全体 52.2g/日×734頭+78.4g/日×90頭=45,370.8g≒45kg

(ウ)

曝気槽容量

 

BOD容積負荷

0.15kg/m3・日

必要容積

45kg÷0.15kg/m3・日=300m3


イ 建設費

費  目

金  額

備  考

電気工事

1,555,000

水中ポンプ9台含む

シート工事

720,000

2,500円/m2×320m2

配管工事

244,455

材料のみ

土工事

120,000

 

その他雑工事

78,180

 

2,717,635

 



(3)曝気槽の図



4.汚水処理の流れ


 1日2回尿汚水の投入、曝気を繰り返している。現在の曝気時間は、14時間から18時間で、上澄み液の状態や汚泥の割合により判断し調整している。
 なお、今年の5月に既存バッキレーター2基(3.7kw)のうち、1機が不調となり、新規に1機(5.5kw)増設してある。
汚泥については夏期には1日1回午前に引き抜き、バキュームカーによりアスパラガス畑等へ液肥として散布している。
 積雪期には上澄み液を畜舎脇の自家畑へ散布している。汚泥については、夏期のように常に引き抜くことはしていないが、曝気槽中の汚水の状態により引き抜きを行っている。
 また、そのときには濾布を用いて固形物と水分に分けて処理している。
 河川への浄化水の放流はしていない。

 

中魚沼農業改良普及センター 水落栄一



ゴム張りラグーン(1)

 

ゴム張りラグーン(2)


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