地域と調和した畜産への取り組み
新発田市 肉用牛肥育経営 石山正博
1.地域の概要
 当該農場がある新発田市は、新潟県の北部に位置し、県都新潟市から30キロほど離れている。市の東部は磐梯朝日国立公園に含まれる飯豊連峰の山岳地帯となっていて、西部は、加治川水系によってもたらされた肥沃な土地が広がり、県内有数の良質米コシヒカリの主要産地となっている。
 畜産農家の経営の取り組みは、肉用牛肥育経営・酪農経営であり、その粗飼料の確保は一部で稲ワラの自給又は河川敷を利用した自給乾草であるが、ほとんどが輸入乾草に頼っている状態である。

2.農場の概要
1) 代表者名  石山 正博
2) 飼養規模  交雑種去勢肥育62頭規模
3) 畜舎構造・施設機械
・ 肥育牛舎 789m2
・ 堆肥舎  353m2
・ 敷料置場  10m2
・ 運搬車2台、フロントローダ2台

3.処理方法の概要
 ふん尿混合処理方式で、モミガラ等を副資材として使用し、種堆肥、微生物資材を添加する単純な切り返し方式であり、40日程度の処理で販売をしている。
1) 牛房の敷料はオガクズと戻し堆肥を使い、平均で1週間から10日に1回フロントローダを使いボロ出しを行う。
2) 搬出したふんは、堆肥舎に堆積して副資材(種堆肥、モミガラ)を加えて切り返しを行う。切り返しはフロントローダで行い、最終的には小型除雪機を用いて塊を細かく砕いて製品にする。発酵温度は70℃以上になり、有害な微生物や雑草種子などは死滅して良質堆肥となる。
** フローチャート **
フローチャート

4.製品の配布(販売)先の確保、拡張のための具体的な取り組み

 年間約302tの生産量でその97%を地域園芸農家、水稲農家及び家庭菜園用として、3,200円/tで販売している。
 現在のところ、春(3〜4月)の注文が殺到するが、年間を通じて生産が間に合わなく、客を10日程度待たせる状況である。

5.周辺地域との調和・環境美化に関する取り組み
発酵菌と除雪機による撹拌で、急速に良質堆肥となり、製品も匂いの少ないサラサラして扱いやすいことから、近隣からの注文が多く、地域的に畜産の存在を認められている。
毎日、牛舎周辺の清掃を行っているのはもちろんのこと、常に牛床面の乾燥と防臭剤等を使用して悪臭防止に努め、社会生活環境保全に細心の注意を払っている。
牛舎施設周辺に花を栽培し、環境美化に努めている。
ポットに自給堆肥を用いて球根を植付け、家庭で手軽な堆肥の利活用方法試験を行っている。

6.課題(今後の目標、改善策)
課題1  敷料にオガクズを利用することから、製品として販売するまでの期間を100日位とするために貯蔵スペースの確保が困難である。
課題2  切り返し時の匂いの発生を少なくするための脱臭方法の研究。
目 標  課題をクリアすることにより、販売単価を3,500円/tに上げ、また、袋詰めの生産を増やすことにより販売額を増加させたい。

I.堆肥発行温度の測定結果
測定開始日時 平成13年8月22日(堆積開始8月18日)
測定終了日時 平成13年9月14日(堆肥販売日9月14日)
最高温度(日時) 70.2℃(平成13年8月24日12時から14時)
堆肥発行温度の測定結果
切り返し間隔 初回 6日2時間
       2回目 6日17時間
       3回目 7日1時間
       4回目 4日1時間
       出荷まで 3日0時間
発酵処理期間 26日21時間
 
堆肥舎内部(1) 堆肥舎内部(2) 撹拌用除雪機と袋詰め堆肥
堆肥舎内部(1) 堆肥舎内部(2) 撹拌用除雪機と袋詰め堆肥


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