優秀畜産表彰出品事例

●夫婦の特技を生かしての低コスト養豚経営

生越 利男(46歳)十日町市下条1丁目397

1.経営の特徴


 

当該経営は我が国でも有数の豪雪地帯である新潟県十日町市で種雌豚75頭の一貫経営を営む養豚主業の家族経営である。生越氏は、昭和47年に地元農業高校を卒業して以来、零細複合経営(繁殖豚5頭)から養豚主業経営への移行を目指して段階的に暫時規模拡大を行っている。同時に畜舎の転移、拡充、機械施設の導入を図ってきている.
 その間、優れた経営運営や経営実績が高く評価されて、昭和54年には「新潟県青年農業士」に認定されている。また、地元農協の青年部長を務めるなど地域として中核的農業者として活躍されている。
 当該経営の特徴は経営を効率的に運営するために家族によりそれぞれの部門分担を行っている事である。特に、妻が養豚のかたわら、その経験能力を生かして経理関係を担当していることは大きな強みとなっている。
 当該経営は、繁殖、肥育等の飼養管理技術成績は際立って優れている。このような高い経営成果を生み出した要因として、次の点を指摘することができる。
 @特に目新しい技術と言うのでなく、一般に知られている技術である基本技術を忠実に励行適用してきている。新技術の導入については、その効果の確実性を見極めて導入に踏み切るようにしてきている。
 A畜舎機能のシステム化により効率的・省力化が図られている。豪雪地に適応した畜舎(2階建て豚舎)の配置や屋根構造、温度・湿度管理に好都合な種豚構造(豚房の配置)等自然環境への適応、利用等の面での創意工夫の発揮である。
 B時間をかけて計画的に無理なく規模拡大してきたことである。自己資本比率が高く経営は安定している。
 C正確な記録に基づいた経営管理の実行で、飼養管理成績並びに経営成果は高水準を維持しており、低コスト生産の礎となっている。
 D管内の養豚仲間と自主的に同志的グループを結成し、飼料の共同購入や生産資材の購入により仕入れ単価の引き下げに努めている。このことにより、経営面に与えるプラス効果は極めて大きい。
 また、郡内の養豚農家と連携し、情報交換、技術研究等の活動を行い、農協との連携で農山村農業振興の中核的役割を果たしている。
 また、個人としては堆きゅう肥を通して市内の畑作農家と結びつくなど、周辺と連携した経営活動を行っている。

2.経営の形態



養豚と水稲の複合経営

3.経営の概況



(1)家族及び労働力

表−1

続柄

本人

家族計

年令

46

44

8人

労働力

1.0

1.0

 

担当

養豚・稲作

養豚・稲作

 

 

2)経営地

表−2

区分


作付

普通

面積

50

50

3

53

3)豚飼養規模
@繁殖豚                               

表−3

期首

導入

育成より

販売

廃用

へい死

期末

延頭数

規模

79

0

18

0

17

2

78

28,332

77.6

7

0

3

0

2

0

8

2,802

7.7

86

0

21

0

19

2

86

31,134

85.3

A育成豚

表−4

期首

導入

自家より

種豚へ

廃用

へい死

期末

延頭数

規模

0

4

15

18

0

0

1

658

1.80

1

2

0

3

0

0

0

136

0.37

1

6

15

21

0

0

1

794

2.18

 

B肉豚

表−5

期首

導入

自家産

出荷

育成へ

へい死

出荷事故

生豚販売

期末

延頭数

規模

924

0

1,811

1,804

15

52

1

5

858

337,113

923.6

 

4)建物施設・機械器具

表−6

区分

数量

形式・大きさ

区分

数量

形式・大きさ

隔離豚舎

1

115.5u

ショベルローダー

1

 

肥育豚舎

1

589.7u

スクリューコンベア

1

 

繁殖豚舎

1

952.0u

ダンプ

1

2トン

堆肥舎

1

188.0u

軽トラック

1

550cc

浄化施設

1

100頭一貫一式

 

 

 

4.経営の推移


 

表−7

経営全体

養豚部門

飼育頭数


S47




48


49


52

54


59

63

 

H11

 




 

 

 


父の代より稲作(85a)と養豚の
複合経営であった。
本人農業高校を卒業。
静岡県経済連・種豚改良センター
にて研修
県内の養豚場にて研修


農業に従事

養農部門を規模拡大する。
本人結婚

県青年農業士に認定される。

鉄筋コンクリート2階建ての種豚舎新築

堆肥舎の新築

 

全自動回分式活性汚泥処理システムの導入

 

 


S47



 

49

51
52

 

59

1

 

 

 

繁殖豚5頭程度の子取り経営
一貫経営に移行



 

公害移転資金を借り入れて
豚舎を移転・建設する。
養殖豚35頭に規模拡大
繁殖豚45頭に規模拡大

 

繁殖豚70頭に規模拡大


繁殖豚75頭に規模拡大

(♀)12




 


(♀)20
(♀)35
(♀)45

 

(♀)70

(♀)75

 

5.経営実績



(1)経営成果

表−8

期間

11年1月〜11年12月

経営実績

経営の概要

労働力員
数(畜産)

家族(人)
雇用(人)

1.6

-

種雌豚平均飼養頭数(頭)

77.6

肥育豚平均飼養頭数(頭)

923.6

年間子豚出荷頭数(頭)

-

年間肉豚出荷頭数(頭)

1,809

収益性

養豚部門年間総所得(千円)

15,869

種雌豚1頭当り年間所得(円)

203,450

所得率(%)

26.9

種雌豚1頭当り

部門収入(円)

756,018

  うち肉豚販売収入(円)

746,134

売上原価(円)

489,621

  うち購入飼料費(円)

311,864

  うち労働費(円)

62,821

  うち原価償却費(円)

31,423

生産性

繁殖

種雌豚1豚当り年間平均分娩回数(回)

2.31

1腹当り分娩頭数(頭)

11.3

1腹当り子豚ほ乳開始頭数(頭)

10.7

1腹当り子豚離乳頭数(頭)

10.0

子豚育成率(ほ乳開始〜離乳)(%)

93.5

子豚販売時日齢(日)

-

子豚販売時体重(kg)

-

子豚生体1kg当り販売価格(円)

-

種雌豚1頭当り年間子豚出荷・保留頭数(頭)

23.2

肥育

種雌豚1頭当り年間肉豚出荷頭数

23.2

肥育豚事故率(%)

2.8

肥育開始時

日齢(日)

29.6

体重(kg)

7.0

肉豚出荷時

日齢(日)

183.6

体重(kg)

114.3

平均肥育日数(日)

154.0

出荷肉豚1頭1日当り増体重  (kg)

0.697

肥育豚飼料要求率  (%)

2.96

トータル飼料要求率  (%)

3.3

枝肉1kg当り平均価格  (円)

407

枝肉規格「上」以上適合率  (%)

45.8

種雌豚1頭当り投下労働時間(時間)

44.9

安全性

総借入金残高(期末時)(万円)

697

種雌豚1頭当り借入金残高(期末時)(円)

89,442

種雌豚1頭当り年間借入金償還負担額(円)

0

2)月別分娩頭数の推移

表−9

項目

10

11

12

合計

分娩頭数

147

154

211

206

139

128

252

142

198

126

102

227

2、032

分娩腹数

13

14

17

17

14

12

22

14

16

11

10

20

180

1腹当り
分娩数

11.3

11.0

12.4

12.1

9.9

10.7

11.5

10.1

12.4

11.5

10.2

11.4

11.3

チェック
リスト

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3)月別離乳頭数の推移

表−10

項目

10

11

12

合計

離乳頭数

165

128

153

192

187

100

184

195

96

194

92

125

1,811

離乳腹数

19

12

16

16

17

10

19

20

9

19

10

14

181

1腹当り
離乳数

8.7

10.7

9.6

12.0

11.0

10.0

9.7

9.8

10.7

10.2

9.2

8.9

10.0

チェック
リスト

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(4) 離乳から受胎までの日数構成

表−11

日数

区分

10日以内

11日〜30日

31日〜50日

51日〜100日

101日以上

腹 数

150

11

4

3

7

175腹

割 合

85.7

6.3

2.3

1.7

4.0

100.0%

92.0

8.0

 

(5) 種豚飼料給与状況

表−12

種豚給与量

育成豚給与量

差引種豚給与量

1日1頭当り

種豚1頭当り
年間換算給与量

kg

98,300

kg

1,900

kg

96,400

kg

3.10

kg

1,132

(6) 飼料給与状況(肥育部門)

表−13

区分

単位

授乳期用

子豚用

肥育前期用

肥育後期用

期間使用量

Kg

4,740

37,180

267,000

273,000

581,920

構成比率

0.8

6.4

45.9

46.9

100.0%

(7) 肉豚飼養規模と肉豚事故体重別区分

表−14

区分

飼養規模

1頭当り
面積

体重区分

離乳〜30kg

31kg〜50kg

51kg〜100kg

101kg以上

平均

923.6

u

0.642

13 

17 

22 

1 

53 

24.5 

32.1 

41.5 

1.9 

100.0 


注1) 肥育豚舎の有効飼育面積 592.9u
内訳 [肉豚舎1.81×5.45×50=493u]
    [子豚舎6.1m×16.38=99.9u]

2) 肉豚事故率 53/(1,804+20+53)×100=2.8%

(8) 肉豚増体状況

表−15

区分

頭数

導入時体重

出荷体重

増体重

肥育日数

1日当増体重

920

7

6,440

114.3

 105,145

107.3

 98,705

154.0

 141,680

697

導入30kg時換算
推定 D.G

30kg

114.3kg

84.3kg

102.9日

819

(9) 肉豚出荷状況

表−16

区分

出荷頭数

枝肉重量

販売額

格落ち金額

頭数

比率

金額

比率

I期
(1〜3月)

   385

 21.3

74.3 kg

28,601

29,219 

11,249,308

  
19.4

11.99 

343,062

II期
(4〜6月)

503

27.9

74.3

37,368

34,233

17,219,203

29.7

10.12

378,048

III期
(7〜9月)

484

26.8

73.2

35,448

37,331

18,068,364

31.1

14.13

500,741

IV期
(10〜12月)

432

23.9

75.4

32,592

26,708

11,537,753

19.9

10.53

343,188

計  

1,804

100.0

74.3

134,011

32,192

58,074,628

  100.0

11.68

1,565,041

(10) 肉豚出荷状況まとめ

表−17

区分

頭数

枝肉重量

販売額

経費

手取額

販売枝肉
1kg当り

枝肉1kg当り
格落ち額

1,804

74.3

134,011

32,192

58,074,628

4,048

7,301,799

28,145

50,772,829

433

11

枝肉1kg当り金額

433

54

378

 

(11) 格付状況

表−18

区分

単位

等外

合計

頭数

827

819

155

3

1,804

割合

45.8

45.4

8.6

0.2

100.0

(12) 格落ち理由

表−19





肉付

脂肪の付着

脂肪の
付着肉の
きめ肉の
色沢




枝肉重量

その他


















・ア


















その他

827

977

0

8

4

17

357

91

321

101

26

2

8

4

5

7

26

977頭

上物率
45.8%

-

0.8

0.4

1.7

36.5

9.3

32.9

10.3

2.7

0.2

0.8

0.4

0.5

0.7

2.7

100%

-

3.0

78.7

13.0

0.2

1.2

3.9

【新潟ちくさん広場トップへ】   【優秀表彰トップへ】