「モ〜ちゃんたいひ」の生産について

1 事業主体名

 

施設の設置所有者:新潟大和町農業協同組合
 (管理運営者:大和町堆肥生産組合(農協管内の畜産農家10戸で構成))


2 地域農業の概要
   大和町は新潟県南魚沼郡の北部に位置し、農業地域類型上では中間農業地域に分類されており、主な農産物は、日本一美味いと言われている「魚沼コシヒカリ」をはじめ八色西瓜、オリエンタル系のユリ切り花、カリフラワー、地域の特産として大崎菜 などが生産されている。
 畜産関係では肉用牛、酪農、養豚の各経営が営まれていたが、その後急激に減少し 現在では表−1の状況となっている。
(表−1)大和町での家畜の飼養状況
区 分 飼養農家数 飼養頭数
酪 農  7戸  274頭
肉用牛 8 509
(H10・2・1現在)


3 施設設置の目的と経緯
   昭和50年代前半、大家畜を中心に規模拡大が進み、糞尿による環境汚染が問題となる一方で耕種部門では有機質肥料の利用減少、化学肥料の多用による地力の減退が危惧されていた。
 関係機関の指導・助言を受けながら畜産農家、耕種農家間の協議を進め、昭和54年度第二次農業構造改善事業により堆肥舎、タイヤショベルを導入し耕畜連携の要として「新潟大和町農協堆肥センター」がスタートした。
 その後、耕種農家サイドから堆肥の質的な向上要望、利用頭数の増加などに対応するため、自力で古材利用により第一、第二の堆肥舎の増設及びエアーレーション施設などの導入を図り現在に至っている。


4 施設等の概要
  新潟大和町農協堆肥センターで利用している施設・機械は次のとおり。
区分 名称 取得年度 構造・能力数量等 備考
土地 土地 5,600m2 借地
施設 堆肥舎 S54 鉄筋コンクリート600m2 1棟 二次構で農協が取得
(H2年組合で一部エアーレーション設置)
管理室 S54 木造 24m2 1棟
第一堆肥舎 S61 木造 495m2 1棟 古電柱利用 組合所有
第二堆肥舎 S63 木造 450m2 1棟 古電柱利用 組合所有
製品置き場 H2 木造 56m2 1棟 古電柱利用 組合所有
機械 タイヤショベル H2 1台 中古払下げ 組合所有
ダンプカー H2 2t 1台 組合所有
マニュアスプレッター H2 2t 1台 組合所有
動力式フルイ H2 一式 古材利用し組合で設置
半自動袋詰機 H2 1台 組合所有

施設の配置





5 施設・機械の管理運営
   施設の運営は「新潟大和町農協堆肥センター運営委員会」に、管理は「大和町堆肥生産組合」に委託し現在に至っている。
(1) 運営委員会の業務
 大和町堆肥生産組合から提出された機械・施設の利用計画、整備計画、利用料、収支計画及び実績などについての審議、決定。
(2) 堆肥生産組合の業務
 堆肥センターの稼働計画・実績などの作成及び運営委員会の決定に基づき、組合で雇用しているオペを中心にした良質堆肥の生産・利用者への運搬。





6 処理方法・量など
   糞・尿・キノコ廃床、米ぬか、籾がらなどの混合物を堆肥舎に堆積しタイヤショベルによる切返しを反復しながら2か月程度発酵促進。
 その後、バラ堆肥として販売予定分は堆肥舎に堆積貯蔵し、袋詰め販売予定の堆肥についてはエアーレーション装置付きの発酵槽でさらに2か月程度、切返し・エアー
レーションを反復し品質向上を図る。

処理フロー

  • 敷料混合割合(概ね)
    肉用牛:重量比で40%混合
    酪農:容積で等量混合
  • 袋詰め堆肥
    肉用牛堆肥を利用
    米ぬか約3%混合
  • H9年度販売実績
    バラ堆肥運搬(1台約5,500円)
     2t車 1,250台
    バラ堆肥運搬・散布(1台約6,500円)
     2t車 940台
    袋詰堆肥(1袋約500円)
     15kg 16千袋

7 施設の維持管理
   第二次構造改善事業で取得した施設は20年を経過、組合独自で取得した施設・機械については中古の効率利用を図ってきた事から固定資産への投資は少なくなっているが、毎年の修繕費などが多額となっている(H9年度約1,500千円)
 平成9年度の堆肥センター運営に要した経費の総額は約11,620千円(償却費除く)であり、この内オペの賃金を含めた人件費関係が約43%を占めている。


8 施設の設置、利用上の特徴
 
(1) 固定資産投資の抑制。
 昭和54年に第二次農業構造改善事業を利用し堆肥舎、タイヤショベルなどを取得した後、様々な理由から発生した容積不足を解消するための堆肥舎建設については全て古電柱を利用して建設すると共に、中古機械などの積極利用により投資の抑制に努めてきた。(第一、二堆肥舎m2当たり約14千円)
(2) 選任オペレーターの確保。
 堆肥センターの管理の徹底を図り施設・機械の効率利用による処理量の増加、品質の向上を目的として、平成元年より大和町堆肥生産組合でオペレーターを一名通年雇用。
 この事により処理量の増加(袋詰め堆肥の生産、販売)製品の高品質化が図られた。
(3) 需要に応じた販売体制。
 バラ堆肥運搬、バラ堆肥運搬・散布、袋詰め堆肥の運搬など新種農家の希望に応じたサービスを実施すると共に、事務局(農協営農部)を中心に周辺の農協などに対する積極的なPRを実施して堆肥の利用量拡大に努めている。
 なお、運搬・散布、袋詰めなどの繁忙期には事務局の農協営農部職員及び大和町堆肥生産組合の組合員が出役し対応している。
(4) 基盤整備事業との有機的連携。
 平成8年度より町内で実施されている基盤整備約340haに対し整備後3か年間毎年10a当たり1tの堆肥を散布する事とし、土作りに貢献している。


9 成果と問題点及び今後の方向
 
(1) 施設設置による成果

1)

 

 昭和54年に施設を導入し利用開始以降、冬期間の利用を中止した時期も過去にみられたが、関係者の創意と努力により概ね円滑に稼働し、地域の環境保全埠大きな成果をあげている。
2) きのこ生産農家で大きな問題となっている廃床と家畜糞尿、籾がらなどの混合堆肥生産・供給により地力の維持増進を図り「魚沼コシヒカリ」「八色西瓜」などの生産安定に貢献している。
(2) 問題点及び今後の方向。
 施設・機械の老朽化による保全管理費及び人件費の上昇などに対する対策が当面の課題として考えられるが、土作りを進める拠点施設として町、農協からも大きな支擾を受けており、新種農家への積極的なPR活動などで処理・販売量を増加させランニングコストの軽減に努める必要がある。


古電柱を利用した堆肥舎


マニアスプレッターでの散布状況


「モ〜ちゃんたいひ」の注文書


15kg入り「モ〜ちゃんたいひ」



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