弥彦村養豚団地組合の汚水処理の取組み
全自動回分式活性汚泥法による汚水処理

1

地域の概況及び養豚集団形成の経過

 

 「弥彦神社」のある当地域は、年間を通じ県内外から参拝者が訪れる県の代表的観光地である。
耕種農業のほとんどは水稲作であり、農業粗生産額の64%は水稲で占めるが、畜産、特に養豚の生産額も農業粗生産額の約20%を占め、養豚戸数(H10年 6戸)は少ないものの、村内農業の重要な位置付けをなしている。
 今回紹介の「弥彦村養豚団地組合」は、村内に分散していた養豚農家7戸(当時)が規模拡大をめざし、昭和47年に県単独事業により実施した施設移転を機会に設立された任意組合である。
 昭和54年には団地組合単独の出資により共同汚水処理施設(共和式2段階軟化法)を取り入れ、昭和58年には畜産総合対策事業(畜産環境対策促進事業)により共同堆肥舎(399m2)を建設し、環境対策につとめてきた。


2

汚水処理施設導入に至るまでの経過

 

 経営規模拡大の一方、汚水処理施設の老朽化により処理能力の低下を招き、排水基準の達成が

困鞋な状況となるとともに、特に、後に開通した養豚団地付近の道蕗が弥彦神社へ通じる道路であるがために、交通量の増加にともない、悪臭が問題視されはじめ、施設の改良を余儀なくされ た。

昭和47年


移転により団地組合設立(県単独事業)事業参加7戸 母豚規模350頭

54年


糞尿分離のボロ出し方式に変更

 


共同汚水処理施設建設(団地組合単独事業)7戸 母豚規模590頭

58年


共同堆肥舎建設(畜産総合対策事業)

61年


構成員2戸廃業

| 


汚水処理施設の老朽化、排水基準の未達成、悪臭の発生など問題発生

平成3年


汚水処理施設の改良を検討

 


 

4年


村、県の保健担当機関から排水基準未達により指導

 


汚水処理について村公共下水道利用を検討するが、経費面で断念

 


汚水処理施設の全面改修について検討

 


 

5年


環境関連セミナー受講、先進地視察の実施により新たな汚水処理方式の検討

 


事業曳模により県単事業を断念、国補事業に向け計画策定

 


溝成員1戸廃業

 


 

6年


回分式活性汚泥法による汚水処理施設の建設(畜産活性化総合対策事業)

 


事業参加者4経営体

 


離農構成員の施設活用により規模拡大

 


母豚規模 620頑 (施設利用600頭)



3

回分式汚泥処理の導入

 


補助事業名:平成6年度畜産活性化総合対策事業(環境保全型畜産確立事業)
事業主体 :弥彦村養豚団地組合
構成員数 :4名 常時飼養頭数 約6000頭
事業内容 :畜産排水処理施設(回分式活性汚泥法)一式
総事業費 :1億284万円(国補・補助対象事業費の1/3、県・同1/6、市町村1/10)
             事業主体・43,389千円:近代化資金など利用)


処理方式の比較選定

比較方式

見積額
(百万)

長  所

短  所

回分式

103

・管理容易 ・運転コスト安
・故障部位が少ない
・処理設計基準の確実性

・施設面積が大
・希釈水が多
・冬季のろ床の乾操牲

BMW方式

85

・既存施設が活用可能
・脱臭牲

・運転コスト高
(交換資材が高)
・汚泥除去能力の正確性

長時間囁気方式

89

・確実牲

・曝気槽の増設が必要
・運転コスト高(電気代)

SSリムーバ

31

・FRP仕様で安価
・操作牲

・耐用年数が短い
・処理汚泥が高水分



4方式の比較の結果、放流水質の改善を重点に、ランニングコスト(電気代、修繕費)の低減、豚舎内水洗対応及び汚水処理施設全体の悪臭防止面から回分式活性汚泥法を選定する。


4

汚水処理施設規模及び汚水処理の流れ

 

処理施設の規模


付帯横棟

 

曝気槽  720m3


スパロータ8基 (5.5k×200v)

投入槽  77m3


振動篩2基

(6m3/h)

希釈水槽 280m3


ポンプ8基

(0.7〜11kw×200v)

放流水槽 312m3


コントロールボックス1面

汚泥ろ床 408m3


 



汚水の処理の流れ




処理対象汚水及び放流時の浄化目標

 

振動篩前の汚水

振動篩後

4倍希釈

曝気槽

最終希釈

放流目標

汚水量
BOD
SS

6.000頭×12l/日=72t/日
5000ppm
8000ppm

70.84
4066
4913

215.52
1017
1229


72
74


65.5
67.3

312 t
80ppm以下
80ppm以下



放流水系の規制基準

排水基準

PH

BOD

SS

備 考

一律基準

5.8〜8.6

 

 

 

上乗せ基準 最大
平均

 

lOOppm
80ppm

lOOppm
80ppm

信濃川水系上乗せ基準



5

固形物の堆肥化処理及び今後の課題

 

 畜舎内で分離した固形物(ふん)は各自で堆肥化しているが、汚水の固液分離による固形物及び汚泥ろ床乾燥物はモミガラとほぼ等量混合し、共同堆肥舎で60日〜90日の切り返し堆積発酵の後、販売している。年間の販売可能量は約350tである。
 販売ルートは、弥彦村農業センターを通じて団地組合へ注文の他、直接、団地組合に注文の都度、トン当たり価格のバラ売りで、配送にも応じている。
 販売先は主に村内新種農家(果樹・主にブドウ、野菜)であるが、県内他地域からの注文もあり、価格差を設定して対応している。
 近年、堆肥施用の耕種農家に対しての悪臭苦情が発生しており、利用者の減少が心配されるので良質堆肥の生産・販売が課題となっている。


畜舎排水処理施設:曝気槽




曝気槽上部


畜舎排水処理施設:振動篩


畜舎排水処理施設:汚泥ろ床



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