有機質資源を活用した資源循環型農業の確立
黒川村堆肥センター



1.地域の概要

 黒川村は新潟県の北東部、北蒲原郡の北端にあり、北緯37度51分〜38度6分、東経139度25分〜139度38分に位置し、東は岩船郡関川村、西は北蒲原郡中条町、北は岩船郡荒川町、南は新発田市にそれぞれ接し、総面積は180.60km2で、県都新潟市まではおよそ50kmの距離にある。
 山と水と豊かな緑に恵まれた黒川村の歴史は古く、胎内川の河岸段丘 や櫛形山脈の山麓では遺跡や縄文式土器が多数発見され、特に「坪穴式土器」は考古学上の貴重な資料となっている。また、天智天皇御代7年に「越の国より燃土燃水献上す」と日本書紀にあるのは黒川村からといわれ、また「東遊記」にも越後七不思議の一つとして黒川の「臭水」の記録があり、現在でも自然に湧出している臭水(原油)の池が存在し、国の史跡に指定されている。
 黒川村は農山村地域であり水稲単作地域である。農業戸数は約780世帯、平均耕作面積は1.1haと小規模で、収入の大半を農業以外の産業にたよる第2種兼業農家が大部分である。昭和40年代に入り、周辺市区町村での企業誘致が進んだこともあって、もともと第1次産業基盤の脆弱であった黒川村の就業構造は第1次産業から第2次、第3次産業へと移っていった。


2.黒川村堆肥センターの概要

1)所 在 地 北蒲原郡黒川村大字宮久151
2)事 業 名   資源リサイクル畜産環境整備事業
3)敷地面積   9,773.28m2
4)延床面積   4,634.37m2
5)構  造   鉄骨平屋建て
6)処理能力   28.71t/日 発酵槽型式・スクープ式撹拌機


3.取り組みの経緯

 昨今、化学肥料や農薬等の多量消費によって、大気・水質汚染等の環境問題が発生しており、農業面では環境負荷を軽減した持続的な『資源循環型農業』の取り組みがなされ、安全な農産物の生産が求められている。化学肥料や農薬を減らして安全な農産物を生産するには『土づくり』が不可欠であり、この土づくりには高品質な堆肥などの有機物が必要となってくる。
 そこで、家畜ふん尿処理の適正化と有機質資源を活用した資源循環型農業の確立を図り、農業振興に資するため、堆肥センターを設置することとなった。

堆肥センター外観 堆肥センター案内板
堆肥センター外観 堆肥センター案内板


処理フロー図

全体配置図



4.処理方法

1. 家畜ふん尿(酪農1戸、肉用牛5戸、養豚1戸)・敷料と生ごみを運搬し、一台ずつ計量した後に原料置場に搬入する。この時、生ごみは細かく破砕される。

原料搬入口
生ごみの搬入

原料搬入口

生ごみの搬入
畜ふん置場(兼原料混合槽)  生ごみ破砕機
畜ふん置場(兼原料混合槽)  生ごみ破砕機



2. 混合槽にて副資材のモミガラ・オガクズをホイルローダで混合し、水分調整・配合を行う。

原料混合槽  ホイルローダ
原料混合槽 ホイルローダ



3. 発酵槽ではスクープ式の機械による撹拌と同時に、有機物の発酵分解に必要な空気を強制通気して好気性分解を促進して一次発酵させる(約15日間)。発酵槽にはカーテンが掛かっており、臭気の拡散を防いでいる。カーテン内で発生した臭気は捕集されてロックウール脱臭装置を介して大気拡散される

発酵槽(カーテンオープン時) 発酵槽(カーテンクローズ時)
発酵槽(カーテンオープン時) 発酵槽(カーテンクローズ時)
スクープ式撹拌機 撹拌(かなりの発酵熱が出ている)
スクープ式撹拌機
撹拌(かなりの発酵熱が出ている)
撹拌装置制御盤 ロックウール脱臭装置
撹拌装置制御盤 ロックウール脱臭装置



4. 養生槽では離分解性のものをさらに発酵分解させ水分の低下並びに粒状化を進展させるために週1回の切り返しを兼ねて堆肥のマス移動を行う。

養生棟内部 養生槽
養生棟内部 養生槽



5. 粒度選別機により粒の大きさを揃えるとともに、異物の除去を行う。生産された堆肥は製品置場にてバラで売るもの、トンパック(1袋約330kg)で売るもの、袋詰め(20kg)で売るものに分けて保管される。
※ 袋詰は今後生産する予定であり、まだ生産されていない(16年2月現在)。

粒度選別機
製品置場
粒度選別機
製品置場
トンパック(約330L) 自動計量袋詰機
トンパック(約330kg) 自動計量袋詰機



6. 主に村内の耕種農家や果樹園等に出荷される。


5.導入効果

 畜産農家が頭を悩ませていたふん尿処理問題、並びに一般家庭や食品・流通業者等から出る食品残渣を上手く処理できている。堆肥を新たな資源として活用しながら、循環型農業を確立し、安全で高付加価値農産物の産地化をすることにより、畜産の振興並びに農業全体の振興になると期待している。

 

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