地域内での堆肥循環システムの確立
十日町市・堆肥利用組合スクスク



1.地域の概況  

 堆肥利用組合スクスクのある十日町市は、新潟県の南部に位置し、東側を魚沼丘陵、西側を東頸城丘陵に囲まれた十日町盆地の中心にある。市の中央には信濃川が南北に流れ、信濃川によってもたらされた河岸段丘により雄大な景観を形成している。県内でも有数の豪雪地であるこの地方では、古く飛鳥・平安の時代から織物生産が盛んに行われてきて、現在でも絹織物は十日町市の基幹産業として重要な役割を担っている。農業部門では、粗生産額の77%を銘柄米「魚沼コシヒカリ」が占める水稲地帯であり、畜産の粗生産額に占める割合はさほど大きくないが、地元での畜産物販売等に力を入れ地域に定着している。


2.堆肥利用組合スクスクの概要  

1)所在地  十日町市大字東下組
2)構成員  5戸(酪農家2戸、花卉農家2戸、法人1戸)
3)組合長  大渕正明
4)設 立  平成9年1月16日
5)事業名  新潟県中山間地域活性化総合対策事業
       高品質体制整備事業
       農林業生産体制整備事業
6)事業内容 堆肥化処理施設(床面積240m2)、ブロア、ローダー
       マニュアスプレッダ


3.取り組みの経緯

 

 花卉農家が平成7年よりユリの球根及び切り花、キクの栽培のために良質の堆肥を望んでおり、酪農家も今後の環境問題等を考慮して堆肥化処理施設を必要としていた。
 農業改良普及センターでは、平成7年度から県内の堆肥化処理施設の視察研修等で支援を行うと同時に、関係者の意見調整を進めてきた。平成8年度に地域の畜産農家の意見調整等を行い、参加農業者を確定して県の補助事業による堆肥化処理施設の導入に至った。


4.処理方法  

 牛舎から搬出したふん尿を堆肥化処理施設に運搬してモミガラを混入し、約2週間に1回、切り返しを兼ねて次のマスにローダーで移動する。約3ヶ月かけて完成した堆肥は、組合員の畑に供給する他、地域内の組合員外の畑にも販売している。
 なお、当該地域は県内でも有数の豪雪地帯であるため、12月下旬から3月までの積雪期間に施設を利用するのは困難である。この時期、ふんは酪農家の牛舎にストックし、個人として春に耕種農家へ販売等を行う。




5.導入効果  

 以前は、稲ワラと交換で耕種農家に生ふんを供給していた。また、飼料畑や水田に生のまま投入していたこともあり、今後の環境対策に悩んでいた。
 堆肥化処理施設を導入してからは、良質の堆肥を生産することができ、また、販売先もほぼ固定しているため、堆肥を安定して供給することができるようになり、まずまず上手く回転していると感じている。



6.処理後の堆肥の利用状況  

  • 組合員については、5,000円/2トンで販売。約120トン。
  • 組合員以外は、10,000円/2トン(運賃込み)で販売。約160トン。


7.周辺地域との調和  

当該施設は、民家から離れた山の奥に建設されているため、悪臭等の苦情は発生していない。


8.課題・今後の目標  

  • 冬期間、施設を休止するため、その間のふん尿管理について検討が必要。
  • 施設管理、資金管理、経営管理、作業体系等、運営方法の確立。
  • モミガラが若干足りなくなる場合があるので、副資材の収集方法及び保管方法について検討が必要。

 

9.その他  

  • ダンプについては組合での所有はしていない。酪農家から借用して利用している。
  • 堆肥の切り返し作業については、酪農家が中心となって行っている。
  • ローダーとマニュアスプレッダについては、冬期間は組合員の農舎等で保管している。


堆肥化処理施設全景

正面より

マスの内部

ローダー

 

 

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