耕畜連携による地域循環システムの確立
〜牛肉生産者・三田美憲さんとその仲間〜

岩船農業改良普及センター  増子 正弘

 

 BSEの発生や食品の表示違反が相次ぎ食への信頼回復が急がれるなか、堆肥を活用した土づくりによる持続的な農業生産方式の重要性が増加しています。しかし、地域で土づくりに取り組もうとしても、良質堆肥の確保や散布機の確保等様々な問題に阻まれてなかなか実現しないのが現実です。
 
 そのような中で、三田さんと、(有)夢ファームあらかわ、荒川町イナワラ部会の皆さんが、すでに耕畜連携による土づくりを20年以上継続し、岩船米の品質の向上に貢献しています。


1.三田さんの経営状況  

 平成8年に全国肉用牛枝肉共進会のおいて名誉賞を授与されるなど、村上牛の代表的な生産者である三田さんの最近の経営状況は表1のとおりです。繁殖牛の一部は村上牛生産組合の仲間と受精卵移植にも取り組んでいます。

表1 経営状況

区分 頭数他 備考
水田経営面積 245a 作業委託面積 245a
和牛肥育牛 150頭  
H14年出荷頭数
平均出荷枝肉重量
A4以上率

80頭
440kg
60%

    
和牛繁殖牛

8頭

一部村上牛生産組合の採卵牛
肥育牛舎 2棟 1,568m2
堆肥舎 1棟 480m2


2.堆肥の生産状況  

 平成12年に(有)夢ファームあらかわ(長政農業生産組合)の仲間とマニュアスプレッダーを導入し、年間650tの良質堆肥生産・散布を実施しています。

 また、平成9年に特殊肥料の届け出を行っています。


3.販売状況  

 販売状況は表2のとおり、(有)夢ファームあらかわ、荒川町イナワラ部会との連携による水田への散布が6割をしめ、他に町内の切り花農家等に供給しています。

表2 堆肥の販売状況
区分 販売量
水田 400t
路地野菜

50t

施設園芸 200t

650t



4.地域循環システム  


 (有)夢ファームあらかわは土づくりに熱心な農業生産法人であり、三田さんも出資者の一人です。この(有)夢ファームあらかわが、受託水田の中から乾きが早く田面の固い水田を選定し、稲わらを長めに(約30cm)切断します。その情報をもとに荒川町イナワラ部会が稲わらを収集・梱包し、三田さんや他の肥育農家に届けます。
 
 この時、荒川町イナワラ部会から長政堆肥センターに堆肥の散布の依頼が同時になされ、主に三田さんがオペレーターとして堆肥を散布します。
 
 これにより、稲作農家(水田所有者)は、無償で堆肥を散布してもらえ、土づくりによる岩船米の品質向上が可能となります。この結果、(有)夢ファームあらかわの収穫した米の規格は、14年産米で全量1等と岩船地域で抜きんでた品質となっています。

(岩船地区1等米比較81.9%、平成14年12月31日現在)

 

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